「今年の夏、富士山に登ってみようか?」
そんな会話からはじまる、夫婦やカップルの富士登山。
ご来光を山頂で拝む感動、雲の上を歩くような非日常体験。
しかし、ルートの違いや登りやすさが分からなくてなかなか一歩を踏み出せない方も多いはず。
この記事では、吉田・須走・富士宮・御殿場の4つの登山ルートの違いや魅力をわかりやすくご紹介。
2人にぴったりのルートを見つけて、一生の思い出になる富士登山をはじめて見ませんか?
富士登山の主な4つのルート
【吉田ルート】
基本情報
登山標高 | 2,305m |
歩行距離 | 往復15.1km(登り7.5km / 下り7.6km) |
所要時間 | 約9時間20分(登り6時間 / 下り3時間20分) |
山小屋 | 18軒 |
ルートカラー | 黄色🟡 |
ルートの特徴
迷ったらこのルート!初心者から経験者まで幅広く支持される王道ルート。
登山者の約6割が選ぶ、富士山で最も人気のルートがこの吉田ルートです。
最大の魅力は、登山に必要な施設がとにかく充実していること。
山小屋、売店、そして万が一のときにも頼れる救護所まで整っており、安心感はピカイチです。
登山道と下山道が完全に分かれているため、他の登山者とすれ違うストレスが少なく、自分のペースで快適に歩けるのも嬉しいポイント。
六合目まではなだらかな道が続き、徐々に体を慣らしながら登れる構成になっています。
七合目を過ぎたあたりからは岩場が増え、登るごとに少しずつ本格的な登山の雰囲気が高まっていくのも魅力のひとつ。
山の表情が変わるたび、達成感とワクワクが押し寄せます。
ただし、本八合目では須走ルートと合流するため、シーズン中は混雑する可能性も。
時間帯を調整したり、早めの行動を意識するのが快適登山のコツです!
こんな人におすすめ!
• 登山初心者の方に
施設がしっかり整っているから、初めてでも安心。
迷いや不安を感じにくく、挑戦しやすいルート。
• 体力や体調に不安がある方に
救護所が複数あるので、もしもの時にも頼れる環境。
備えがあるだけで、気持ちにも余裕が生まれます!
• 友人や家族などグループで登る方に
登山者が多く、情報も豊富。
ワイワイ楽しく、仲間と励まし合いながら登れるのが魅力。
【須走ルート】
基本情報
登山標高 | 2,000m |
歩行距離 | 往復14km(登り7.8km / 下り6.2km) |
所要時間 | 約8時間10分(登り5時間40分 / 下り2時間30分) |
山小屋 | 12軒 |
ルートカラー | 赤色🔴 |
ルートの特徴
静けさと爽快感、両方を味わえる贅沢なルート
須走ルートは、富士山の中でも自然の息吹を色濃く感じられるルートです。
七合目付近までは涼やかな樹林帯が続き、夏の強い日差しを避けながら快適に登れます。
森の中を歩くような感覚に、癒される人も多いはず。
登山道は静かで落ち着いた雰囲気。混雑を避けて自分のペースで登りたい人にぴったりです。
本八合目で吉田ルートと合流するまでの間は、まるで「秘密の登山道」のような感覚が楽しめます。
そして、このルートの名物といえば、何と言っても下山時の「砂走り」。
柔らかい火山砂を踏みしめながら駆け下りる感覚は、富士山ならではの醍醐味。
スピード感と浮遊感に、思わず夢中になってしまいます。
こんな人におすすめ!
• 夏の暑さを避けたい方に
日陰の多い樹林帯を抜けていくため、涼しさを感じながら登れるのが魅力。
暑さに弱い人にはうってつけ。
• 自然や静けさを満喫したい方に
木々のトンネルや高山植物が迎えてくれるルート。
静かな空気の中で、自然に一体感をじっくり味わえます!
• “砂走り”を体験したい方に
須走ルート名物の「砂走り」は、一気に駆け下りるようなスリルがクセになる。
富士登山の中でも特に人気のアクティビティ。
• 混雑を避けたい登山者に
本八合目までは人が少なく、自分のペースで登れるのがうれしいポイント。
落ち着いた山行を求める人におすすめ。
• ある程度の経験がある方に
樹林帯のアップダウンや砂走りには、体力とバランス感覚が必要。
登山経験者だからこそ楽しめる醍醐味がある。
【御殿場ルート】
基本情報
登山標高 | 1,440m(4ルート中最低) |
歩行距離 | 往復19.5km(登り11.0km / 下り8.5km) |
所要時間 | 約10時間40分(登り7時間30分 / 下り3時間10分) |
山小屋 | 5軒(最少) |
ルートカラー | 緑色🟢 |
ルートの特徴
富士山で最も過酷、だが最も自由。挑戦者を魅了するルート
御殿場ルートは、全ルート中で最長かつ標高差も最大。
まさに「富士山のラスボス」とも言える存在です。
登りごたえは圧倒的。
八合目付近までは火山砂利の緩やかな道が続き、地味に体力を奪ってきます。
七合目まで山小屋がないため、しっかりとした装備と計画が求められます。
しかし、そのぶん登山者は非常に少なく、道中は驚くほど静か。
広大な自然に包まれながら、自分だけの登山時間に没入できるのが大きな魅力です。
そして最大のハイライトは、スケールが桁違いな「大砂走り」。
一歩ごとに身体が沈み、火山灰の斜面を一気に駆け下りる爽快感は、他ルートでは味わえません。
まるで重力を遊ぶようなダイナミックさが、多くの挑戦者を虜にしています。
こんな人におすすめ!
• 体力に自信のある方に
最長距離&最大標高差のタフなコース。
上級者向けの本格ルート!
• 静けさを求める方に
登山者が少なく、自分のペースで登れる静かな環境が魅力。
• 富士登山リピーターに
“通好み”の難関ルートで、次のステップにぴったり。
• 大砂走りを体験したい方に
迫力満点のダイナミックな下山が楽しめます!
• 挑戦意欲のある方に
最も過酷なルートに挑戦したい人へ、自分の限界に挑めます。
【富士宮ルート】
基本情報
登山標高 | 2,400m(4ルート中最高) |
歩行距離 | 往復10km(登り・下り各5.0km) |
所要時間 | 約7時間40分(登り5時間 / 下り2時間40分) |
山小屋 | 9軒 |
ルートカラー | 青色🔵 |
ルートの特徴
最短距離で日本最高峰へ。スピードと達成感を求めるならこのルート!
富士宮ルートは、富士山の全登山道の中で山頂までの距離が最も短いルートです。
「とにかく山頂へ早く辿り着きたい」という方にとって、これほど効率的なルートはありません。
山頂に着けば、そこには富士山最高峰「剣ヶ峰」が目前に。
他ルートからはやや遠いこのスポットにも、富士宮ルートならサクッとアクセス可能です。
登山道と下山道が同じため、すれ違いによる混雑は避けられませんが、その分、道に迷いにくく、山小屋も多いためサポート体制は充実しています。
また、全体的に勾配は急で岩場が多く、短距離ながらも足腰への負担は大きめ。
しかしその分、ダイナミックな登山体験ができるのも大きな魅力です。
そして、山頂には浅間大社奥宮や富士山頂郵便局といった観光要素も充実。
「登った証」を形に残したい方にもピッタリなルートです。
こんな人におすすめ!
• 短時間で登頂したい方に
4ルート中最短距離。
効率よく山頂を目指せます!
• 急登に挑戦したい初心者に
体力に自信があれば、短距離×急坂の登山も楽しめるはず。
• ご来光を楽しみたい方に
九合目山小屋からのご来光は感動もの。
朝の景色重視の方に◎
• 記念をしっかり残したい方に
山頂郵便局で切手やポストカードが手に入り、旅の記念にもぴったり。
• 剣ヶ峰を目指したい方に
富士山の最高峰へ最短でアクセス。
登頂の達成感をしっかり味わえます!
富士山に行ったら体験したい!感動の3つのこと
一生に一度は見たい!富士山頂のご来光
登ってきた疲れも吹き飛ぶような、圧巻の絶景。
それが、富士山のご来光です。
空がゆっくりと明るみを帯びていくその瞬間は、まるで自然からの贈りもの。
心が洗われるような、特別な時間が流れます。
ご来光が見られる時間帯は季節によって前後しますが、例年7月下旬から8月中旬なら午前4時30分頃が目安。
なかでも、山小屋が多い吉田ルートや富士宮ルートは、ご来光を目指す登山にぴったりです。
山頂はもちろん、九合目付近からでもその美しさを十分に味わえます。
「日本一の朝日」を、自分の目で確かめてみませんか?
山頂限定!富士山の御朱印をいただこう
富士山の山頂にある「浅間大社奥宮」では、ここでしか手に入らない御朱印がいただけます。
険しい道のりを乗り越えてたどり着いた証として、御朱印帳に刻まれるその印はまさに登頂の記念。
参拝のあとは、心もすっと引き締まるような特別な気持ちになれるはずです。
御朱印は山頂の社務所で授与されますが、天候や混雑状況により時間が変動することもあるため、事前の確認がおすすめです。
富士登山の思い出に、自分だけの御朱印を残してみてはいかがでしょうか?
世界に一通だけ!富士山頂からのハガキを出す
富士山の山頂には、期間限定でオープンする「富士山頂郵便局」があります。
ここでは、なんと標高3,776mからハガキを送れるんです。
家族や友人、自分宛てに送れば、登頂の感動をそのまま届ける特別な記念に。
切手やポストカードは現地で購入可能。オリジナルデザインも人気です。
富士登山の想い出を“世界に一通だけの手紙”という形で残してみませんか?
富士山登山での注意点
標高3,000mを超える富士山は、気軽に登れる山ではありません。
「なんとかなるでしょ!」では済まされないこともあるので、事前準備と心構えが大切です。
1.無理のないペースで歩こう
2人のどちらかが疲れても、無理は禁物。
声をかけあいながら、ゆっくりペースで進めば高山病の予防にもつながります。
2.防寒対策は念入りに
山頂は真夏でも一桁の気温。
寒さでテンションが下がらないように、防寒着・レインウェアは必須。
寒さ対策がしっかりできれば、ご来光を寄り添って見る余裕も◎
3. 持ち物を分担して荷物を軽く
行動食や飲み物は2人でシェアして持つのがコツ。
重さを分け合えば、体力的にも気持ち的にもラクになります。
4. ケンカしないために大事なのは“思いやり”
疲れが出ると、ちょっとした一言で険悪になることも…。
「ありがとう」「大丈夫?」の一言が、登山中の雰囲気を優しく保ってくれます。
5.第一で無理はしない
「山頂まで行かなきゃ」はNG。
2人で元気に下山することが、いちばんのゴールです!
まとめ
富士登山はペースを合わせてのんびり楽しむのがコツ。
途中疲れたら休憩しながら、2人で景色や空気を味わう時間も大切です。
しっかり準備して安全に登れば、達成感と感動を一緒に味わえる最高の体験になります。
そんな特別な瞬間をぜひ!分かち合ってください!
コメント